インスタグラムはなぜ写真カメラ業界から生まれなかったか

世界中に影響力をもつ情報メディアとなったインスタグラム。
技術も資金もあったはずの既存の写真カメラ企業たちはなぜインスタを創れなかったのでしょうか。
無理ゲー経験者の一人として4つの要因を振り返り、打開策への気付きを記そうと思います。

インスタグラムについて

今や10億人のユーザーを擁するインスタグラムを知らない人はいないでしょう。
カメラアプリ、写真共有サービスの枠を超えて、有名人や企業の情報発信、ブランディングに使われています。
2010年にアプリの提供を始めた社員13人で売上もない会社のインスタグラムは、1年半で3000万人のユーザーへと急成長し、2012年にフェイスブック(現Meta社)が10億ドルで買収して世間を驚かせました。

GooglePlayのInstagram公開ページ(2022.7)

すでに時価総額10兆円以上(Meta傘下なので単体の評価額は推定)とも言われ10年で100倍です・・・
数ある写真共有アプリのひとつではありましたが、「撮影・加工・共有」の使い勝手のよさと、個性的な加工フィルターで新しい共感体験を生み出し、従来の写真の教科書とは異なる価値軸を作りました。
それが「インスタ映え」と呼ばれるカルチャーとなり世界中のユーザーが「インスタ映え」する写真を日々投稿しています。

パソコンから始まったFacebookに対し、インスタグラムのシストロムCEOは当時、
「現在は写真が主軸だが、当社の中核をなすのはモバイル時代のコミュニケーションや共有だ」
といい、すでにその先の世界を描いていたことがわかります。

写真カメラ業界の20年

インスタ買収前後の写真カメラ業界はどんな文脈だったでしょうか。
写真フィルムと現像サービス網という高い参入障壁がなくなったデジタルカメラ市場が立ち上がると、家電メーカー等が次々と参入してあっという間にレッドオーシャン化し、2000年代は激しいシェア争いでした。
画素数などのスペック競争、それが行き詰まると差別化機能の開発競争、そして低価格化へ。
最盛期は年間1000万台もしくは1000億円売れない規模の会社は採算がとれずに脱落すると言われました。
デジカメ一人一台への道を阻んだのは業界外からの代替品の脅威、スマートフォンです。
2007年のiPhone登場でスマートフォンがアーリーアダプタから徐々に浸透し、2010年のiPhone4でついにキャズムを超えました。
デジカメ市場は年間出荷数1億台の規模に達した2007~2010年をピークに急激に落ち込んでいきました。

CIPA提供2019年グラフにフィルム需要とコメントを重畳

携帯電話時代にはオモチャのカメラと侮っていたスマホカメラがコンパクトデジカメを浸食する潮流が確実となり、フィルムの巨人として長く世界に君臨しデジタルでも先鞭を付けていたコダック社が2012年頭に破産申請に至ります。
前職・富士フイルムでは同年にレンズ交換型高級カメラを発売し、翌年にコンパクトデジカメからの撤退を発表しています。
キヤノン・ニコンも一眼レフで築いてきた地位を足場に高級機に注力し、その他大手も同様に方針転換をして瀬戸際で生き残りましたが、大きな潮流はついに我々を追い越していきました。

デジタル写真革命はインスタ買収の頃を境に、既存の写真カメラ業界が担ったフィルムからデジタル化への第一段階から、GAFAを中心にスマホとクラウドで写真ユーザーが爆発的に広がる第二段階へと移ったのです。
カメラ業界はプロやハイアマチュア向けに特化した高級機市場として残りましたが、グローバルなネット時代の画像サービスの世界で存在感を取り戻すことはありませんでした。

イノベーションを阻む4つの壁

デジタル化の潮流の中で私たちは、新しい画像ソリューション、カメラから離れて写真の価値を見直すイノベーションには取り組まなかったのでしょうか?
実際のところ、同業他社含めて大勢が取り組んで挫折し、死屍累々の世界でした。
表に出ていない活動も多くあったと思います。

市場が失速し、投資してきた成長事業が伸び悩んで競合環境が厳しさを増せば、一方ではイノベーションが求められながらも、一方では経費を抑えて利益を出すことが求められます。
そこには変革を阻むいくつかの壁があって、イノベーションのジレンマがありました。

  • 価値観  ~企業文化として培われた固定観念の壁
  • スキルセット ~既存製品のコア技術を中心にしたヒエラルキー
  • ビジネスモデル ~バリューチェーンと固定費、経営数字の呪縛
  • 競合環境とタイミング ~残存者利益を狙う椅子取りゲームの罠

これは業界を問わず高い確率で再現される不滅の定理のようです。
少し事例を交えて振り返ります。

価値観

長年培った写真の価値への固定観念があります。
ピント、露出、構図、シャッタータイミング等々、完成度の高いきれいな写真を撮ること、高品質なプリントで思い出を残す事が目的であって、デジタルは手段にすぎず、本質は変わらないと考える人が多かった。
実はデジタルになることで「写真が単なる手段」となって新しい体験価値が生まれていくわけですが、写真ありきで考えてしまうと、画像の加工編集や共有は後から派生する「二次利用」という認識になります。

撮ったあとの写真をどう楽しんでもらうのか?

画像Viewerの開発もインターネットサービスの開発も「二次利用」の提案が長年の課題でした。

Web2.0ブログブームでは、マズローの欲求階層をモデルに写真体験の変化を予測しました。
大事な思い出を撮って残すだけの段階から、共有の欲求、承認欲求へと向かうだろうと考えましたが、何をすれば高次の欲求を満たすことができるのか。
写真と二次利用を分けて考えているので、加工前提だったり体験シェアのためだったり、そんな優先順位を変えてしまう体験価値の発想ができなかったですし、何度か提案が出ても部門内で共感は拡がらなかったのです。
「デジタルトランスフォーメーション」(ベイカレントコンサルティング)の中で「日本のカメラメーカーの苦境は、カメラを使う顧客層や使い方が変化しただけでなく、品質に重点を置き、カスタマーエクスペリエンスを訴求しきれなかったことが要因の一つ」と指摘されています。
いかに固定観念が強固だったか後になってわかります。

2008年のデジカメでブログ発信者を意識した加工機能と画像コミュニケーションを謳いました。
ジオラマ風ほか十数種類の画像フィルター機能を搭載し、話題性でTV番組でも取り上げて頂きました。
赤外線通信で写真を送り合う、チェキプリンタで出力して書き込む等の楽しみ方ができました。

富士フイルム・デジタルカメラ総合カタログ、FinePix Z250のページより引用


開発段階では、楽しむ加工機能であるにも関わらず、それをプリント注文したお客さんからクレームにならないのか?という今では信じられない心配意見もあったほど価値観とは根深いものなのです。
また、他の友達にも送る、自慢する、評価し合うにはどうしたらいいのか?は依然として模索中で、mixiが伸びていた時期でしたがSNSの可能性にピンと来ていませんでした。

2010年にインスタグラムが登場してユーザー数を増やしていることが部内でも話題になりました。
既にデジカメの多くは画像フィルターの楽しさを訴求していましたし、画質の専門家たちの目にはインスタの画像技術が特段優れているわけでもなく(画質は悪い)、操作性はユニークでしたが、アプリもサービスも容易に模倣が可能に見え、将来性には懐疑的な見方が多かったです。
答えを目の前にしてもまだこれから起きることが分かっていませんでした。
社内でもいろんな提案が出始めましたがどれも利益の出し方を示せず先へ進めませんでした。

2012年にデジカメからスマホにWifiで画像を送れるようにしました。
富士フイルムはプリントサービスがあるため、二次利用の一つに自社サービスへの還流を期待します。
急拡大しているスマホに繋がることの重要性が最初は理解されず、スマホに送って何のサービスを提供するのか、それなしにスマホに送るだけの機能を開発して意味があるのかと言われ開発決定が遅れました。

富士フイルム・デジタルカメラ総合カタログ FinePix Z1000EXRのページより引用

後に「突破するデザイン」でロベルトベルガンティ氏が、電気の時代に照明手段としては価値が低いローソクを演出グッズにして高い価値を生み出している例などを挙げて「意味のイノベーション」を提唱しているのを知りました。
旧来の「写真」に囚われていた私たちは、ローソクを照明手段としか見られなかったのだと思います。
職場の古い人達だけでなく新規開発を提案する立場だった私たちも、自覚のない固定観念の壁に囚われていたのです。

スキルセット

既存製品のコア技術を中心に最適化された組織・ヒエラルキーも障害になります。
事業領域が未成熟のうちはMP3プレーヤやプリンターやストレージャーなど色んな挑戦をするので、人材も多様ですし、汎用的に組み合わせが可能な組織単位になっていました。
しかしデジタルカメラ市場の急成長で規模が大きくなると事業に最適な組織へと変わっていきます。
デジタルカメラのシステム図のそれぞれのパートに対応するように部課が構成されて10年も続くと、見事に自走状態になります。全体設計を改めて考える人がいなくても、各部署は自分の仕事をきっちり目標達成すれば、成果物が合体してカメラが完成するのです。一方で、カメラのシステム図にない機能や技術を担う部署は淘汰され、新しい要素が突然求められてIoTだ5Gだとなっても、どの部署も自分の仕事ではない分からない、となってしまいます。
また、人材はヒエラルキーの力学で配分されますから、エレキであればセンサーや画像処理にリソースがとられて通信インタフェースが手薄、ソフトならば画質設計やオート制御にリソースがとられてUI/UXやネットワークは手薄、という状況が起きました。
リソースが偏るのは采配の問題だけでなく、「カメラ」を特徴づけるコア技術に貢献したほうが、技術者たちも昇級やボーナスの見返りが大きいのです。

このようにインターネットの可能性がどんどん膨らんでもメーカー社内のスキルセットは時代の趨勢とは乖離することがあるのです。
仮にインスタのような独自アプリに画像加工フィルターを作ろうとすれば、カメラの開発チームから画質設計者を引き抜いてこなければならず、よほど上層部の肝いりのプロジェクトに持ち上げる腕力がないと難しい。
新規提案をするチームを組んでも組織の支援が得られず、空中分解していったものがいくつもありました。

ビジネスモデル

製造メーカーはバリューチェーン通して非常にシビアにお金の計画をしています。
莫大な固定費が賄えなければ赤字ですから、とるべき限界利益額、必要な販売台数と原価、販売経費等、年度計画でしっかり定めて、毎月進捗管理をしていきます。突然売れなくなったり原価や経費が倍になったりはしないので、年間通して見込み幅内で「計算可能」な経営をしています。
人件費や生産設備を無駄なく稼働し、低コストで高品質なものを量産して売る持続的イノベーションが働きます。

一方、ネットビジネスの立ち上げは、ある程度データが集まるまでは顧客獲得数もライフタイムバリューも運用コストも不確実。投資から回収に転ずるまでに何年かかるかも見えていません。
デジカメ開発の知見を活かして斬新なカメラアプリと共有サービスを作ろうとしても、スキルセットの問題もさることながら、ビジネスモデルが違いすぎます。

顧客中心に自分たちが変わる方がDXの難度は高い

経営者は約束している損益目標があり計画性が必要で、不確実なものを混ぜられないので、別部門を作って推進することになります。
つまり、別部門を作らせるほどに説得力のあるシナリオが必要で、次々と失敗して高速に回して学べ、と一般論ではいえても、新規ビジネス立ち上げにはそれなりに高い権限の意思決定が要ります。そのため、会社によっては企業内起業を支援する制度を設けているところもあります。

写真カメラ会社は各々2000年代にネットサービスを立ち上げて写真の保存・共有機能を提供していました。
実際過去には相当な投資をして部門をつくり探索した時期があります。

富士フイルムでは”Picture The Future”という自社ユーザー向けインターネットサービスを2000年から展開しました。
自分が撮った写真をネットアルバムにして他の人にリンクを共有する、相手の端末向けに画像最適化して携帯電話に送る、フォトコンテストへの応募等、色々なサービスを画像Viewer起点にシステム化しました。(参考:富士フイルム研究報告 NO. 47-2002
トップシェアを争っていた時期でユーザーも多く、早々に登録者100万人を超えて画像サービスとしては先行したと思います。
キヤノンは”Image Gateway”、ソニーは”Image Station”など、競合他社もみな同時期にサービスを立ち上げています。

Picture The Futureパンフレットより
Image Gateway Webサイトより
Image Station Webサイトより

問題は、各社ともカメラ販売を前提にした「囲い込み」モデルだったことです。
自社製品を購入したユーザー向けの特典サービスに位置付けているので、ハードを離れてサービスが拡がることがありませんでした。
画像保管容量で課金したり、付加価値プリントの注文へと誘導したりと、サービス自体の収益化も試みましたがいずれも利益を出せずに失敗して本業のお荷物となりクローズしています。

Viewerアプリ側から”Picture The Future”開発を担った私が、後にサービス部門が解体して運用だけが残って誰も引導を渡せなくなっていたサービスを、稟議書を書いてクロージングさせたのが2009年。
翌年にはFacebookが躍進しSNSの時代が来たことも皮肉なめぐり合わせです。

ちなみにコダック社のネットサービスですが実は最も早く大きく踏み込んでいました。脅威でした。
しかし我々よりずっと固定費の大きい巨大企業でしたから、すぐに利益還元されないネットサービスに投資を続けることに株主の圧力もあったでしょう、二股かけていたプリント事業に軸足を戻してしまった感があります。
“KODAK EasyShare” はネット活用のコンセプトもあったのに儲かる消耗品ビジネスのプリントシステムに拘ってしまい結局破綻してしまいました。
メーカーでありながら、数十万人規模のスキルセットを入替えてコンサルになったIBMや、音楽やクラウドサービスで成功したAppleは突出した例外で、再現性はない(真似できない)と思います。

結論からいえば、インスタのように最初は成功すると思えないスケーラブルなビジネスモデルの立ち上げは、グロースハックして十分成長するまで株式上場をしないスタートアップのような建付けでなければ実現できないでしょう。

競合環境とタイミング

異業種からの参入企業はみな撤退し、古参の有力企業もいくつも脱落しました。
成長は止まっても市場があれば、他社シェアを奪いプレイヤーを減らせば、ビジネスとしては利益が出ます。
残存者利益を狙った椅子取りゲームも悩ましい罠です。

2010年時点で市場は成熟していたが、まだ伸びしろがあるかもしれない。
苦しさもピークだったがあと3年乗り切ったものが生き残る、と各社考えたはず。(実際にそうなった)
この状況では息を抜けません。
投入する新機種、新機能、どれも部門のリソース全力投入です。
思い出してください、インスタ登場も2010年。
横並び競争大好きな日本メーカーたちがこのタイミングで新しい事を仕掛けられたでしょうか・・・

各社展開していたネットサービスがSNSに辿り着かず失速したのはタイミングの問題もあります。
早すぎたのです。長い潜伏期間を我慢できなければ、遅過ぎるのと同じく失敗なのです。
2000年のサービス競争時、世の中はダイヤルアップルーターやモデムが主流の時代です。
Picture The Futureではフォトコン応募でアップロードが多かった月は、共有サービスへのアップロードが減る現象がありました。通信料金が気になって制限する人が多かったからです。
常時接続になる、通信が高速化する、理屈ではロードマップを理解していたはずですが、競合環境の中にいると、世の中よりも横を見てしまうのです。
いつ立ち上げるべきか戦略的なタイミングよりも、他社に負けないことが優先してしまうのです。
(ブランディングにおいて意味はあるのでマーケティングコストだという考え方もあります)

補足
デジカメ事業も黎明期は初期投資に対して市場が成長するまで赤字が続き、黒字に転換するのに何年もかかりました。
それが出来たのは将来性を世界が認識していて、他社との事業化競争に勝つ必要があったからです。
その状況では逆に、やらない理由がステークホルダーに説明できません。そういう条件が揃うこともあります。

打開策とは

無理ゲーの構図を見てきて、お気づきと思います。
冒頭タイトルの「問い」がすでに間違っているのです。
なぜ写真カメラ業界がインスタを生み出せなかったか、ではなく正しい問いはこうです。
デジタルの変革に気付いていたソフト技術者たちが、なぜスピンアウトしてでも新しい写真サービスを作ろうとしなかったのか?
私の胸の中にくすぶっていた疑問は、挑戦しなかった自分への呵責の思いでもあります。

インスタ創業者のケビンシストロムは勤めていたGoogleで成功したわけではありません。
シリコンバレーの会社ですら我々が直面するイノベーションのジレンマをたくさん抱えています。
彼はGoogleを辞め独立起業して始めたアプリ開発でインスタに行き着きました。
その可能性、というより脅威をいち早く察知したザッカーバーグの買収提案を受け入れることによって、成長軌道に乗ろうとしていたインスタに技術と資金・人材の支援を呼び込み、驚異的な成長をしました。
もっとも、インスタの成長につれて親会社Facebookとの主導権争いで溝が深まり、結果的に自らインスタを去っていくことになるのですが、これは我々の知る会社組織あるある構図と同じなことに逆に驚かされます。
会社組織は似たような力学があるのに、生じる結果が全く異なるのは、技術者たちのマインドの違いが大きいです。

企業人ならその会社を使ってしかできないことを目指し、会社ができないことは外に出てやればよい。
簡単に後者を選ぶアメリカ人と違って、私を含めた従来の日本人の多くは前者に拘ってきました。
今は、新しいビジネスを企業の中から始めることが困難なら、その企業で実現させることに拘らずに、世に出す行動を優先できる環境になっています。
無理ゲーの突破口は、自分たちが変わること、
社内評価で生きる会社人間から、世の中に価値を問う起業家への意識改革だったのではないかと思います。

もう一つの間違い

最後に。実は冒頭タイトルの「問い」は別の意味でも間違っています。
確かに無理ゲーではありました。
では、もしこれらの壁が薄かったら、インスタは作れたのでしょうか?

結論からいえば、やはり、ノーです。
「インスタグラム:野望の果ての真実 」に非常に興味深い内情が書かれていて、気になる方はぜひ読んでみて欲しいです。

ケビンシストロムが創ったのは10億人のコミュニティのためのプラットフォームでした。
撮って加工して共有するプロセスは、インスタのコミュニティへ繋がる手段にすぎない。
当初から写真アプリ、共有サービスの先をみたビジョンがあったし、実現にはケビンシストロムの個人的背景・資質が大きく作用し、セレブやインフルエンサーの巻き込み、カリフォルニアという地の利、シリコンバレーのキーマンたちとのつながりがありました。

インスタは、カメラアプリでもなければ、画像加工ソフトでもなく、単なる写真共有サイトでもない。
そもそも写真カメラ業界になぜを問う必然性がないのです。
既存のメディア業界に問う方が的を射ている気がします。

ただし世界は今も変わり続けています。
TikTokがSNS勢力図を塗り替える勢いですし、これから何度もゲームチェンジを見ることになるのかもしれません。

運やタイミング、いろんな要素が絡まって、無数の失敗の中から1つの成功が生まれる。
だからこそ有象無象の挑戦を私達もすべきだったし、まだこれからしていく意味があるのではないでしょうか。

以上


参考図書:(Amazonへリンク)

「インスタグラム:野望の果ての真実 」(NewsPicksパブリッシング)

文化の違う大企業に買収されて配下の事業の一つとなった創業者が、親会社の支配に抗いつつ親会社のリソースを利用して事業を成長させていく。
成果で期待に応えようと成功するほどに価値観は衝突し溝が深まっていく。
良くも悪くも初期のInstagramに感じたこだわりが、今のインスタでは別物になっているのも腑に落ちる。
シリコンバレーも日本企業もKPIが違うだけで成果を求めて争う人間模様は同じなのだ。
では技術も資金もあった既存の写真カメラ業界はなぜインスタを作れなかったのか?
単なるイノベーションのジレンマだけが理由ではなく、問いそのものが間違っていることに気付かせてくれました。
プロダクト以上にカルチャー作りやブランディングなど10億人のコミュニティを作る戦いだったことがわかる。
インスタグラムを作ったケビンシストロムの物語ですが、技術を武器に商品開発に携わるデベロッパー必読の書だと思います。

「突破するデザイン」(日経BP)ロベルト・ベルガンティ著

使い手にとっての文脈・それを使う意味が変わることで、新しい価値が生まれることに気付かせてくれます。
ローソクの事例があまりに有名になりましたが、イノベーションは必ずしもお金をかけて難しいものを創ることではなく、「意味のイノベーション」が可能性を拡げる。

「 デジタルトランスフォーメーション」(日経BP)ベイカレント・コンサルティング

「日本のカメラメーカーの苦境は、カメラを使う顧客層や使い方が変化しただけでなく、品質に重点を置き、カスタマーエクスペリエンスを訴求しきれなかったことが要因の一つ」と言及がある。
一般顧客の写真体験はスマホを起点としたサービスへと形を変えているのに、モノとしてのカメラ売り最優先から切り替えられなかった。形だけのDXではなく、全く別のビジネスになってしまうDXがいかに困難か。

インスタグラムはなぜ写真カメラ業界から生まれなかったか” への4件のフィードバック

  1. 「デジタルの変革に気付いていたソフト技術者たちが、なぜスピンアウトしてでも新しい写真サービスを作ろうとしなかったのか?」
    全く、同感ですね。
    我々も同じ間違いをしています。それはユーザーの撮影した動画は、PCに取り込まれ、光学メディアに保存がデジタルデータになってからは主流でした。私達はそのすべての技術を自社で持ち、アプリを開発して国内のすべてのビデオカメラメーカー契約してきました。
    はじめはMpeg1でVCD。そしてMpeg2となりDVD。次にH.264のBDへと進化していきました。
    その次を考えると、光学メディアと選択はなく、今でいうクラウドへの保存は普通に考え各メーカーにも提案を持っていったのですが、時代がまだそこまでには至っておらず、どこも真面目に検討すらしてくれませんでした。
    あの時に、社内もしくは社外でYoutubeのようなサービスを独自で立ち上げ運営していたった、別のビジネス展開が始まっていたでしょうねw。

    1. 確かに、動画配信の時代になって、ビデオの技術開発をしてきた方たちにとっては、
      「なんでYouTube, TikTokをつくれなかったのか?」という問いもあるのでしょうね。
      知られず散っていったチャレンジャーたちもいたでしょうが・・・
      後知恵とはいえ、見逃し三振した感は拭えないんですよね。
      ゆえに、今このスイングでいいのか?と悩みは尽きないわけですが。

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